昔は彩色したセル画を撮影し、ペラペラ漫画の要領でアニメを制作していました。
しかし、デジタル技術の進化に伴って、最後までセル画制作を続けていた「サザエさん」も2013年にセル画制作を終えてしまいました。
でも、セル画制作時代のアニメには、思い入れの多い作品が沢山ありますよね。
セル画収集の喜びとしては、大好きだった作品の撮影に使われた現物を手に入れられること。
販売用に複数枚作成される複製セルを除き、通常の撮影用のセル画は全く同一の物は存在しません。世界で唯一品です。
動きがあるカットは、少しずつ絵が違う動画に沿って連セルが発生します。この場合、各セルの右上に「A1」等から順に対応する動画の連番が振られています。
動きのない場面に至っては、同カットのセル画は1枚きりです。
(絵は変わらず、カメラだけ上下や左右等に動かす場合も同様です。)
このような場合、セル番号には動画の最初の連番「A1」とそのパートの終わりを表す「E」を組み合わせた「A1E」が記されます。
名作、名場面の「A1E」を所有できれば大満足です。
背景画も素晴らしい描画のものがあり、背景合致で所有できることは更に嬉しいことですね。
また、作品のオープニングやエンディングののセル、或いは毎話使われる変身シーンなどのバンクのセル、CM切替時のアイキャッチセルについても人気になり易いです。
撮影時にはセル画全体を写す訳ではありません。中心から一定の範囲を写しますので、テレビ画面には映らなかった部分も描かれています。これはセル画を所有してみないと見られません。これもセル画を収集する楽しみだと思います。
昔、セル画を収集し始めた頃は、東京や大阪にセル画の販売店がたくさんあり、資金を貯めた上で新幹線で買い出し旅行に向かったものです。
東京や大阪に住んでいればこんな苦労はなかったのですが、それはそれで楽しかった思い出です。セル画を購入すると「コレ持って帰りなよ。」とよく知らないアニメのセル画や動画をたくさんタダでもらったりもしました。背景画も色々選べて安価で購入できました。(もっと買っておけばよかった・・・。)
アニメにデジタル化の波が訪れて次第にセル画による製作が無くなっていくと、セル画店の店先からセル画が減っていき、気が付くとセル画店や販売サイトが次々と閉店してしまっていました。
セル画は、太陽光などに晒されるとトレス線が退色、消失するなどの性質上、「室内で飾る」といったことが出来ず、丁寧に綴じて保管していても、退色、変色、酸化による強い臭気などが発生して、悪化するとセルが加水分解して溶けたようになってしまうなど維持管理が難しいものです。
今後、新たに収集を開始するというのは厳しい領域になってきました。だからこそ手に入れた思い出の品は出来るだけ大切にしていきたいものです。
第16作 私のあしながおじさん |
1990年1月14日から12月23日まで放送。 主人公は孤児院のジュディ・アボット。陰ながら彼女を見守るあしながおじさんの正体は誰? |
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第17作 トラップ一家物語 |
1991年1月13日から12月22日まで放送。 家庭教師マリアがトラップ家の男爵や子供達と心を通わせ、妻・母として迎えられるまでの物語。 |
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第18作 大草原の小さな天使 ブッシュベイビー |
1992年1月12日から12月20日まで放送。 ジャッキーはブッシュベイビーのマーフィーを野生に戻すためジャングルの冒険に出かける。 |
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第19作 若草物語 ナンとジョー先生 |
1993年1月17日から12月19日まで放送。 ナンが懐かしき学び舎プラムフィールドを訪れて思い出す、10年前の学園での生活。 |
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第20作 七つの海のティコ |
1994年1月16日から12月18日まで放送。 世界名作劇場シリーズ唯一の原作が存在しないオリジナルストーリー。 海の冒険が始まる。 |
魔術士オーフェン | 1998年10月から1999年3月まで放送された、秋田禎信氏のライトノベルを原作とするアニメ。 義姉を救うためオーフェンは旅立つ。 |
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風まかせ月影蘭 | 2000年1月26日から4月19日まで放送された、大地丙太郎監督による時代劇アニメ。 蘭姉さんとミャオ姉さんの酒飲み二人による気ままな人情旅物語。 |
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南 海 奇 皇 | 1998年4月6日から1999年9月27日まで放送された。 島原三姉妹は南の島バロウ王国の神ネオランガに導かれるが、力を求める者たちも集う。 |
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プリンセスナイン 如月女子高野球部 |
1998年4月8日から10月14日まで放送された。監督は望月智充。 「如月女子高校」に入学した早川涼は「イナズマボール」を武器に甲子園出場を目指す。 |
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神秘の世界エルハザード | 制作はAIC。OVA版(1995年から1996年)とテレビアニメ版(1995年10月から1996年3月)が存在。登場人物やストーリーなどの設定が異なる。 | |
天地無用! | こちらも制作はAIC。 OVA版とテレビアニメ版で登場人物等の設定が異なる点も同様。 ねぎしひろし監督版のみに登場する清音さんのセルのみ保有。 |
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サイレントメビウス | 1991年公開の映画版と1998年のテレビ版がある。 麻宮騎亜の漫画が原作で、妖魔と香津美を中心としたAMPの戦いを描く。 |
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烈火の炎 FRAME OF REKKA |
1997年7月19日から1998年7月10日まで放送。安西信行原作。 炎の力を持つ烈火が、風子や土門らの仲間と共に魔道具の力を借りて紅麗らの敵と戦う。 |
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獣戦士ガルキーバ | 1995年4月4日から9月26日まで放送。キャラデザは平井久司。 暗いストーリーなどのため人気が低迷。打ち切りとなり、サンライズの黒歴史となった。 |
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アダルト作品 | ドラゴンナイト4、この世の果てで恋を唄う少女YU-NO、下級生など。 アダルトゲームなどを原作とするアニメのセル画。 |
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その他の作品 | 1983年10月21日から1984年9月8日まで放送された、銀河漂流バイファムなど。 その他の作品は、それぞれ所有枚数が少ないものになります。 |
セル画の保管方法については、重要な課題です。しかし保管の方法については、ググってみても正解となる結論が得られていないのが現状です。
ただ、間違いなく言えるのは、太陽光に晒さない(電灯光についても長時間は避ける)、高温多湿にならない暗所で保管するといった点でしょうかね。
それから、セル画と動画、背景画はくっつけたまま保管しないこと。
セル画同士がくっついているのは、もう仕方ないところがあって可能な範囲でという感じですが、セル画と背景画を直接くっつけたまま保管するのは絶対に止めたほうが良いです。
背景画の絵具がセル画の透明部分を白く汚し、彩色部分を変色させます。
背景画との接合の有無に関わらず、セル画の黄色系の色が変色しやすいのは周知のことで、その周辺のトレス線も連鎖して退色したり滲んだりしやすいです。
金髪の女性のセル画の場合、特に注意したいところですが、これも発生するセル画と発生しないセル画があってよく判りません。
最近は、彩色に使用している絵具のメーカーや材質によるのかなと思ったりしています。
既に退色が発生したセル画は化学反応が起こっているため、気を付けて保管していても、その後も徐々に退色が進行していくようです。
酢酸臭については、臭いが強くても全く退色も波打ちもしていないセル画もあります。
ただし、化学反応が起きているのは間違いないので、他のセル画への影響が考えると、これは隔離したほうが良いと思われます。